花ごころ

8年目のガーデニング
                                                  



わたしがガーデニングらしきものをはじめたのは
確か8年位前だったと思うのだが
その頃買ったミントブッシュの樹が
昨年の移植以来どうも調子が良くない
今日は大きな枝が枯れつつあるのを見て
これはもう冬を待たずに鉢に植え替えようかと考えている
看板の後ろで日照不足の上に
まわりの植物に押されて風通しも悪くなっている

枯れてしまうのを心配して造った挿し木苗は
ちょうどわたしが購入した時と同じくらいの大きさになった
小さな苗に
小さな紫色の花
地味だけれど
当時はじめて見て感動したこの樹を
どうしても絶やしたくはない

ガーデニングを始めた頃は
珍しい花にばかり目がとまっていた
花びらがフリルのようになったパンジーを植え
微妙な色合いの花を好んで選んだ
花はそれなりにみな綺麗に咲いてくれたが
わたしはどうも何かが違うと感じていた
それは一体何なのか・・・?

今年の春
昨年田舎の山からもらってきた野性のスミレが
ドイツトーヒの樹の下で
増え広がってたくさん咲いた



その光景は
ちょうど自然の一部を切り取って庭へ持ってきたような感じで
そのとき初めて
”これよ!”と
長い間探していたものを見つけた気がした

わたしが庭に欲しいもの
それは”自然”
だからそこに植えられる植物は
珍しい改良種ではなく
原種に近いものがふさわしい

わたしは子どもの頃「道草っ子」だった
田んぼへ入ってレンゲを摘み
野イチゴを食べ
カラスノエンドウで笛を作って遊んだ
わたしの生まれ育ったところは
当時はどこもまわりに豊かな自然があって
草花はいつもおもちゃ代わり

家の庭では母が
スイトピーやミヤコワスレ
朝顔や夕顔
水引草に弁慶草・・・と
さまざまな季節の花を植えていて
わたしのまわりには
常に素朴な花々があった

わたしはいつの間にか
その昔懐かしい光景を追いかけている
庭つくりの方向はどんどんシンプルな方へと向かい
その昔の自然の中に
まるで自生しているかのように
バラを一緒に育てていきたいと思っている

この夏には
近所の方から水引草をわけてもらった
そして今日は
時々お庭を見に来てくださる方に
ミヤコワスレを頂けることになった
その時には原種の桜草もわけてもらえるとのこと

原種の桜草は
祖母がずっと探していたと母から聞いたことがある
お花屋さんで桜草を見つけて買ってきても
どれも違うのだという
品種改良された桜草ではだめなのだ
祖母も昔の光景を追いかけていたのだろうか

今までああでもないこうでもないと試行錯誤を繰り返しながら
『当たり前の植物での庭つくり』へと
8年目にしてようやくたどり着いたという感じ

この冬はまた忙しくなりそうだ





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