米ぬかを利用した生ゴミ堆肥を作る


〜「再びポリ容器を使う」の巻〜


9月9日

「土嚢袋を使う」の巻の最後にも書いたように
今の時期土嚢袋の中の乾燥が急に進みすぎるので
生ごみの分解に適した水分が保たれにくいように思います
乾燥すれば虫はいなくなるけれど発酵は進まない
今回雨にぬらしてしまった土嚢袋の中味が
その後も天気の都合でなかなか乾燥せず
そのためにかえって順調に発酵しているのを見て
もう一度ポリ容器を使った方法でいってみようという気になりました

本当はダンボール箱を使いたいのですが
(ダンボール箱は余分な水分を吸収してくれるので)
今ちょうどいい箱がないのでとりあえずポリ容器で

ポリ容器で発酵させる場合の問題点は
「水分の調節が難しい」
「切り返し(かきまぜるのが)難しい」
ことから
腐敗や虫の発生が起こることです

今回まず「水分の調節」については
生ごみとまぜるものを
乾燥したバーク堆肥のみとしました
ポリ容器の底5センチ程度バーク堆肥をいれ
そこへ生ごみを直接入れて米ぬか少々をふりかけます
その上を生ごみの半量くらいのバーク堆肥を入れておおいます

資料を参考にして計算すると
生ごみのチッソNは3.9、炭素Cは39.2として
そこへチッソN1.2、炭素C40.1のバーク堆肥を半量加えれば
混合物のC/N比(炭素率)は13程度になります
同量の場合はC/N比15です
このC/N比が低いほど肥料効果の高い生ごみ堆肥なので
バーク堆肥はやたらと入れないことにします
これが分解が進むにつれて炭素率も低くなり
最終的に10程度になれば優秀だそう

ポリ容器のふたはしないで
古いバスタオルをかけてひもでしばっておく
(虫除けのため)

このポリ容器は口の直径が43センチ、高さは33センチです
生ごみと米ぬか、バーク堆肥を交互に入れながら
容器の3分の2くらいまできたら「切り返し」ます
この程度なら底まできれいにかき混ぜることができるでしょう
それに”詰め込みすぎ”は
堆肥の中の酸素の流通を悪くして
それが腐敗の元になります

今日は夫が大きな魚を釣ってきたので
生の骨や頭、臓物がたくさんでました
これはきっと臭うなぁ・・と思いつつも
やはりこれほど養分の詰まったものを捨てるわけにはいきません
さっそくこれらを入れて堆肥つくりを始めます


9月11日

これだけ魚が多いとさすがに臭いますが(汗)
中味の温度が50度くらいまであがっていて
いい感じで発酵がすすんでいます
この温度がやっぱり欲しい
こんなに熱いと虫もわかないし

堆肥つくりをする時には
材料がたくさんあるほど温度もあがりよく発酵するらしいですね
水分量はいまのところ適量のようす
このまま生ごみの投入を繰り返します


9月15日

かなり水分が多いので
バーク堆肥を追加しました
魚が多いのでにおいも出やすいし
やはり堆肥は多めに入れないとダメみたいですね
底までよくかき混ぜて空気を入れました


9月16日

水分がちょうどよくなったせいか
今日はかなり温度もあがっています
かき混ぜた時にホカホカの湯気があがるので
60度近くなっているのでしょうか

50〜70度くらいの発熱がちょうどよく
70度以上にはあがらないように切り返しはこまめに行うのがポイント
今日もせっせとかき混ぜます

結局バーク堆肥を生ごみの2倍は入れたと思うので
計算上では炭素率は19
やっぱり水分量や臭いも考えて
それを調節するために堆肥や枯葉を入れながら
炭素率は20を目標にするのが良いというラインは
よく考えて出されたものなのでしょうね

そうそう
初めの予定では容器の3分の2くらいまできたら
切り返しをすることにしていましたが
実際には半分のところでもうかき混ぜるのは精一杯の状態です
なのでここで新しく生ごみを投入するのは止めました

順調に堆肥化するためには
容器の容量に対して
中味の重量が半分以下なのが理想だそうです
つまり30リットルの容器には
中味は15キログラムまでが限度

今回は残念ながら容器の重さを量っていないので
今実際に中味が何キロなのか量ることが出来ないのですが
次はこの辺も初めから計算に入れてみましょう

結局この限度を超えると『詰め込みすぎ』なわけですね
そうなると中味が嫌気状態になって
せっかくの好気発酵が上手く進まなくなります
とにかく軽い堆肥や落ち葉ですきまを作ってやらないと・・・


9月19日

この時点で形の残っている生ごみは
卵の殻と最後に入れたジャガイモの皮
あれほど大きな魚のアラを入れたのに
太い骨までわからなくなっています

相変わらす発熱は続いていますが
だいぶ下がってきた模様
今日は温度計を入れてみました



46度です

バケツの中をかきまわしてみると
乾燥気味なところと湿っぽいところがあり
これらを均一にしておくために切り返しは毎日行っています
すると今日はついに底の湿っぽいところに虫を1匹発見しました(泣)
見えたのは1匹でも実際にはもっといるはず・・・
仕方なく消石灰を混ぜ込みます

石灰を入れるとそのぶん窒素分がアンモニアになって抜けていくので
高品質生ゴミ堆肥つくりをめざすなら
できるだけ入れないほうがいいのですが
虫の発生は緊急事態です

これまで結構ひんぱんに出る魚のアラを
生でも調理済みでもそのままバケツなどに入れていたのですが
今回大量に生のアラを入れてみて
その分離水分と臭いには辟易しました
これはなるべく乾燥させて入れないと
上手にアラを堆肥化するのは難しい、、、

そこで考えたのが
”魚のアラを焦がして炭化させる”こと
魚を焼く時に出る煙は水分と油
『食品成分表』を見る限りにおいては
”生”と”焼き魚”の栄養成分は
特に変わりはないようです
さっそくグリルにアルミホイルを敷いて
アラをのせて焼いてみました
よく焦がしてからお箸でつつくと簡単にバラバラになります
でもすごーく煙が出るのが難点です^^;

少量になったので
今回のバケツに混ぜ込みました


9月22日


発熱がおさまり臭いもあまりしなくなってきました
2週間の「分解期間」を終え
これから1ヶ月の「熟成期間」に入ります

バケツの底の方がどうしてもべとべとしていて
小さな虫がわいているので
今回は粉石けんを少量まいてみました

さて、”魚のアラを焦がして炭化させる”作戦について
専門家にご意見を伺ったところ
アラを焼くと窒素と炭素は気体となって失われますが
リンやその他の微量元素はそのまま灰の中に凝縮して残るそうです
これは草木を焼いた灰を肥料にする「焼畑農法」と同じ原理らしいですね

ただ、植物にとって重要な窒素は失われてしまうので
生ゴミの持つ養分を全部生かしたいと思えば
生のままをそのまま堆肥化するのが一番いいのでしょう
でも、魚のアラが大量に出る時などは
リンを目的として炭になるくらいまで焼いてしまうのも
後の分離水分や臭いの発生のことを思うと
良い方法だと思われます

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11月20日

この後じっくりと熟成期間に入る予定でしたが
わいてしまった虫が石灰をまいても退治できず
このままではどうしようもなくなるとの恐怖感から
思いきって(というか半分ヤケで^^;)
つるアイスバーグの株元にばらまいてみました

つくりはじめて2週間あまり
しかも最後に生ゴミを投入してからはまだ10日も経っていないというのに
これはかなり無謀なことです
臭いだってしっかり出ています
それでも強いつるバラならなんとかなるんじゃないかと・・・

それから一ヶ月あまりが経過した時
そこの土がずいぶん様子が違うことに気づきました



細かい土が寄せ集まって固まりとなっているのです
これが”団粒化”なんだと初めて実感しました
未熟な生ゴミ堆肥を分解するために微生物が繁殖し
カビの菌糸や細菌の粘質物によって土がくっついて団子状になる
水はけも水持ちも保肥性も良い土
団粒土はその最高の土としての条件を兼ね備えています

今回こうして半ばヤケではじめたことが
今後の方針を導くカギになっているような気がします
安全な完熟生ゴミ堆肥つくりを目標に試行錯誤してきましたが
一方で危険な未熟堆肥使いも上手く取り入れていけたらと
今は密かにもくろんでいます。。。




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