米ぬか化成発酵肥料をつくる



2003年より『発酵肥料で健康菜園/薄上秀男著(農文協)』を参考に
米ぬか発酵肥料を作り始めました
今回その時の肥料を『元種』として新しい米ぬかに混ぜて拡大発酵しています
初めはこうじ菌が働いて発熱し温度は50度以上にまで上がるので毎日撹拌
数日して温度があまり上がらなくなってきたら今度は乳酸菌が働き始めます
その乳酸菌の働きで肥料は酸性となり
酸性を好む酵母菌が繁殖してアミノ酸やビタミン、ミネラルなどを合成して
効果の高い発酵肥料を作り出してくれる仕組みになっています

その酵母菌が働く時に酸性の化学肥料を混入すると
いよいよそれらをエサとして酵母菌が活発に活動し
単なる化学肥料もアミノ酸などの有機栄養へと合成されるというのですから
これはぜひ取り入れてみたいものです

なお、化学肥料を混入する際には以下のことに注意する必要があります

@ 肥料温度が30度以下になってから入れること
A 一度に大量に入れると一気に発酵発熱するので
   一回に入れる化学肥料は米ぬかの12パーセント以内とする
B 温度が上がりすぎると酵母菌が死滅するので
   なるべく薄く広げて30度以上にならないように撹拌する
C 化学肥料をたくさん入れたい時には何回かに分けて混入、発酵させる



<実際に作る記録>

(2004年1月8日) ポリバケツに米ぬか1.5キロに水500ccを加えてよくかき混ぜ
『元種』の米ぬか発酵肥料1キロを入れて更によく混ぜる
布か紙で容器にふたをして、毎朝8時に全体をよくかき混ぜる
(8:00の温度はかき混ぜる前の温度です)

月日 時間帯 内部温度 概  要
1/9 11:00 51℃ 翌日から一気に温度上昇(切り返し)
1/10 8:00 45℃ 朝は温度が下がり気味だが
かき混ぜるとまた上昇する
夜は表面が白くなっている
13:00 56℃
20:00 50℃
1/11 8:00 45℃ 乾燥気味のところと水分の多いところの
差があるので均一になるように撹拌
13:00 56℃
20:00 50℃
1/12 8:00 41℃ 朝の温度は低めだが
かき混ぜるとまだかなり上昇する
家族から「納豆臭い」と言われる^^;
13:00 56.5℃
20:00 52℃
1/13 8:00 42℃ 全体的に乾燥が進んでいる
夜には表面が白くなる
13:00 56℃
20:00 48℃
1/14 8:00 34℃ 今朝はぐっと温度が下がった
においも違ってきたように感じる
生の米ぬか(写真左側)よりも
かなり茶色っぽい色になっている
13:00 55℃
20:00 52℃
1/15 8:00 31℃ 乳酸菌が働いてきたせいなのか
甘酸っぱいにおいがしている
17:00には55℃まであがった
13:00 45℃
20:00 53℃
1/16 8:00 32℃ 本日の最高温度は52℃
13:00 41℃
20:00 52℃
1/17 8:00 37℃ だいぶ乾燥してサラサラしてきた
最高温度は55℃
13:00 42℃
20:00 52℃
1/18 8:00 28℃ 初めて20度台まで下がった
午後には更に下がり
夕方になっても上がる様子が見られない
13:00 24℃
17:00 23℃

酵母菌発酵に移ったものと判断し化学肥料を混入する
なお、今回化学肥料を入れるのは米ぬか発酵肥料2キロに対して
硫安80グラム、過リン酸石灰80グラム、塩化カリ80グラム
容器はポリバケツから平たい紙箱にかえた
(温度の上がりすぎを防ぐため)

1/19 昨日化学肥料を入れた時の温度は14度だったが
それ以後まったく温度上昇なし
1/21 温度は10度まで下がっている
新たに過リン酸石灰240グラム混入


(1月25日) 困りました、、、何の変化も起こりません・・・
そこでもう一度本を調べているうちに

「化学肥料を混ぜ込んでも発酵肥料に水分がなければ何の変化もおきません」
「温度が30度、水分50%前後で化学肥料を混合する」


というポイントが判明しました
これまで温度の上がり過ぎによる酵母菌の死滅と
水分の多すぎによる腐敗菌の繁殖を気にしすぎていたので
結果的に酵母菌が働きにくい環境を作っていたようです

このままでは化学肥料が酵母菌によって分解されないので
とりあえず加水してみる事にします
手で握るとかたまり、開くとほぐれる程度が水分35〜50パーセント
そのうち手のひらに米ぬかが多少くっついて残るのが50%の目安のようです

本来化学肥料は少量ずつ加えるのがポイントですが
今回はすでに米ぬかの24パーセントも加えているのでどうなることか、、(不安)
温度の方も10度ではあまりに低すぎるので
電気毛布で加温してみる事にしました(ちょっと過保護^^)

(1月27日) 25〜30℃程度で保温中
電気毛布から出すと温度が下がるので
肥料自体が発熱しているわけではないみたいです
でもこのくらいの温度が酵母菌発酵には一番適温なので
とにかく今はこうして酵母菌が増殖して
化学肥料をエサに有機肥料を作り出してくれる作業を助けたい

<拡大発酵について>
今回の肥料つくりでは、新しい米ぬか1.5キロに対して
以前作った米ぬか発酵肥料を『元種』として1キロ入れました
こうした”拡大発酵”を行うために必要な元種の割合はどのくらいなのかと調べると
15分の1から半分までケースはさまざま
これは元種の力の程度によって増殖力が異なるので
力の弱い元種であればたくさん入れなくてはならないようです
そこでこのたび新たに拡大発酵を
米ぬか2キロに対して10分の1の元種200グラムを加えてはじめてみました
すると前回と同様に翌日からもう50℃を越え
なんら問題なく順調に発酵しています
少ない元種でたくさんの肥料ができればいうことないですね^^


(1月30日) 様子を見ては水分を足しながら保温してきましたが
一体いつになったら出来上がりといえるのかどうか
自分でもよくわかりません(汗)
普通だったら「発熱しなくなったらできあがり」なんでしょうけど
電気毛布から出すと温度は10度台に下がってしまいます
これで酵母菌が化成肥料を分解してくれているのかは不明ですが
いつまでも電気毛布を占領されても困るので(笑)
このまま3月の施肥まで外の倉庫でねかしておくことにしました
一ヶ月もあれば熟成してくれる・・・かな?

<山土を入れて放線菌を増やすことについて>
酵母菌発酵で一応完成した発酵肥料を熟成させていると
そこには勝手に放線菌が繁殖するらしい
殺菌力が強く、抗生物質を作り出す放線菌は
病原菌と対抗するのには最強の味方
これを肥料の中に意図的に増やそうとするなら
発酵肥料が完成する頃に山土を混ぜるのが有効とのこと


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2005年12月
化成発酵肥料を作る際の疑問点について
sakiさんが良い情報を教えてくださいました


Q1.化成肥料投入時の温度が低い

A1.27度以下ならいい(例え1度でもOK)


Q2.化成肥料を入れても温度上昇が見られないのは水分不足?

A2.水分があまりない状態の時には化成肥料に水分をなじませて投入する



この情報を元に、2006年2月には
さらさら状態の発酵肥料に水分をなじませた状態で化成肥料を投入
その後発熱しましたが
切り返して平らにしておくと27度以上に上がることはありませんでした
寒い季節なので余計に都合が良かったのでしょう
化成発酵肥料作りの適期はやはり冬のようです




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