花ごころ

バラ栽培2006前半戦
 


水はけと通気性を最重視した培養土ではじまった今年のバラ栽培
さあ、春のお花は如何に?!と楽しみにしていたところ
いざふたをあけてみれば
春の異常低温、長雨による日照不足と
ロザリアンを悩ませる問題が5月末まで続いた

花芽のつかないブラインドや
花が開かないボーリング現象も多く聞かれる中
それでもうちのバラは一応すべての花が咲き
開花時期が遅れたことで
かえって一番花はみな例年よりも大きく咲いてくれた

また
低温のため虫の発生が遅く
そのため被害はずっと少なくなっている
花色はどうしても一部本来の色に出ないものもあったが
お花の美しさそのものは
どれも十分満足できるものだったと思う

(今年のバラの咲く風景を
『バラの咲く庭 2006年ハイライト』にアップしています)

だが
低温は虫の被害を減らしてくれた半面
「べと病」などのやっかいな病気をもたらし
最近はほとんど出なくなっていたウドンコ病も出てきて
低温で湿度の高い状態が続くことで起こる病気が
次々蔓延してしまった

特に昨秋べと病を発症したグラハムトーマスの葉っぱには
真っ先に同じような茶色いシミができ
隣においたカーディナル・ド・リシュリューにも感染して
この後どちらもほとんどの葉っぱを失うことになる



薬剤を用いても
完全に菌をゼロにすることは難しいといわれるべと病には
とりあえず株の体力をつける一方で
べと病菌に対抗する力のある有用菌を増やすことが
最も有効な手立てでもあるらしい

”病原菌に対抗する有用菌を育てる”
それはもうずっと続けている試みではあるが
現実には有用菌を育てているつもりで
実は病原菌にせっせとエサを与えていた・・・
というのが昨年までのケース
今年は土壌中に腐敗菌が増えにくいようにと
腐りやすい有機物を入れていない

また
昨年までは
庭から出る剪定枝葉などを何でも堆肥化させ
あるいはそのまま生でマルチ材としていたが
これらも使う植物や状態、環境によっては
病虫害の温床となる危険性があるので
冬の間にマルチしていたものは
5月にはきれいに取り除いた

梅雨〜夏に向けて
腐敗に傾きやすい土をいかにきれいに保つか
それが今年の最大の課題だ
「きれいに」というのは「腐らせない」という意味で
いかにそこで有用微生物が繁殖するかがカギとなる

そのためにはまず
べと病などの病原菌を少しでも静かにさせるべく
「そうじ屋」と呼ばれる乳酸菌を散布する試みを
5月15日と6月1日に実施した

乳酸菌液肥の作り方は以下の通り
「米のとぎ汁7に対して牛乳3の割合で混ぜたものを
ペットボトルに入れて室温放置すると
乳酸菌の働きでヨーグルト状の固体と半透明の液体に分離する」

ヨーグルト状の固体は水で溶いて土壌潅水し
液体は薄めて葉面散布してみた
(量や希釈倍率については実にアバウトです、、)

その数日後
今度は緑肥として育てているトウモロコシやソルゴーなどの
「イネ科植物」の生葉を刻み
バラの株元に少量の発酵肥料をまいてからマルチする
(この時、葉っぱは生の青葉であることが重要)
イネ科の植物は炭素が豊富で
炭素量の多い植物を有用微生物は好んでエサにして繁殖するという
(バクテリアは炭素量の多い植物をエサにできないらしい)

この春はぜひこれがやってみたくて
わざわざこうして緑肥作物を育てているが
中でもソルゴーは実に生育旺盛で育てやすい↓



そして
乾燥したワラをマルチするのと違って
こうした生葉をマルチすると
すぐに微生物による分解が進み
お互いがくっつきあって土と一体化するようになるため
風で飛ばされることもない

 ⇒ 

ちょうど一番花が終る時期に
こうして土をきれいにする準備を整えたら
あとは
発酵肥料を液肥にして潅水する

今年からは
発酵肥料の固形物はバラ鉢には入れないようにしてみている
というのも
発酵肥料そのものも状況によっては腐敗の元となるので
一晩水に漬けてエキスを出したら
それを漉した液を液肥として更に薄めて潅水するのだ

以上
イネ科植物の青葉マルチ+少量の発酵肥料と
発酵肥料から作った液肥と
もうひとつ
葉から吸収されるリンカリ液肥『ホスポン』を
月に2回程度葉面散布する
それらがいわゆる「お礼肥え」というわけ

肥料の計算からいくと
なんだかとても足らないように思われるが
今年は冬の間に無肥料栽培の本を読むなどして
肥料そのものが害になってしまうケースについて色々考えさせられ
やはり原点に戻って
微生物に頼る栽培方法を更に探求することになったわけだ

そんな折
有機物や施肥の害について唱えるバラ園の存在を
5月末、mayumiさんのお庭におじゃました時に知ることとなる
そこは広島県東部にあるバラ園で
パンフレットを見せてもらうと
ちょうどわたしがずっと調べてきた無肥料栽培に近い理論と
土壌腐敗を防ぐために
培養土には極力有機物を入れないことなど
今まさにわたしがやっていることと同じような内容が記されてあった

多くの人にとって
「バラは肥料食い」との言葉が頭に焼きついており
更に、バラ栽培には
「堆肥がたくさんはいったふかふかの土」が必須だと思われている
ところが
これは梅雨も猛暑もないイギリスに適用できることで
それをそのまま日本の温暖な地域に適用すれば
わたしがずっとこれまで悩んできた状況が待っている
つまり
夏の間にバラは弱り
秋には期待したほどお花は咲かないのだ

夏の間にいかにして根を張らせ
上では枝葉を茂らせて光合成を活発に行わせるかが
秋のバラを楽しめるかどうかを決定する
それは以前から知ってはいたけれど
うちの鉢バラはどれもコンパクトに栽培することを目標としているせいで
常に背を低く抑えられていることも
株が弱る原因なのだと
このバラ園のパンフレットはあらためて教えてくれた

壁面に大きく茂らせているツルバラは
ほとんど肥料を与えることもないのに
春にはたくさんの枝葉が茂って一面に花が咲く



そして
その葉っぱでもって光合成が行われ
養分は蓄積されて株はますます元気になる
たとえ黒点病で葉を落としても
たちまち新芽が出てきて復活する



そんな体力が鉢植えのバラにも欲しいと思う

この株元には
土をきれいにする”葉筋のまっすぐな”イネ科やユリ科の植物を混植
他にも
ハーブや山野草が茂って
自然に土を耕し、微生物を養い、バラを育てている

   

根の環境・・・根の環境・・・
今はそのことばかりが頭の中でぐるぐるまわる
地植えのバラには
こうして色んな植物と混植することで
根の周りの水分も酸素も養分バランスもある程度自然に整えられる
それが
鉢植えバラだとそうはいかない

今年の夏は猛暑だという
うちのバラ鉢は素焼き鉢やスリット鉢がほとんどで
なおかつ培養土はものすごく水はけが良いとなると
心配されるのは夏場の水枯れだ
その対策として
ヤシの実チップ『ベラボン』を一割混ぜているものの
もっとたくさん入れた方がよかったかもしれないと
今更ながら不安になる

イネ科植物のマルチだけでは
水の蒸発もあまり防げないかもしれないし
ここは何かもうひとつマルチ材を考えなくてはと思うのだ

今候補に上がっているのは
見かけ(色)と通気性を重視して「麻袋(=南京袋)」
もうひとつは
断熱効果とアブラムシよけ効果を期待して「アルミホイル」だが
これはどうも見かけにかなり問題がある

先日100円ショップへ行ったら
アルミシートの裏に5ミリ厚さのスポンジが貼ってあるレジャーシートがあった
これを鉢の直径に合わせて切り抜いてはめれば
焼けつくような夏の日差しから
バラの根を守ってくれそうな気がする

アルミホイルマルチは野菜栽培の本に載っていて
母がすでに実践しているが
これによってアブラムシが激減したのに加えて
なぜかアルミホイルの下には白根がたくさん張っている
(これは単なる偶然か?!)

本によれば
台所用のアルミホイルが一番いいらしい
一体アルミホイルにはどんな秘密があるのだろう?
根との関係は?
そして
100円ショップのレジャーシートにも
同じ効果は期待できるのだろうか?

以前アルミの米袋でトマトを栽培した時には
とてもたくさんの実がみのって豊作だった
ところが
次の年にはビニールの米袋しかなく
仕方がないので
その内側に使い古して破れたアルミの袋を切って貼り付けた
すると結果は思わしくなく
アルミ袋単独使用にこそ効果が期待できると判明
以来
アルミに対する信用と期待感はわたしの中に常にある

べと病で葉っぱを落としたグラハムトーマスも
今はこんなにきれいな葉っぱが展開し
蕾も次々あがってきている

  

多分、根の状態は悪くはないのだろう
今年の配合土は
今のところいい線いっているようだ
このまま良い方向へと進んでいくように
梅雨明けまでにはマルチ材を決定しなくては。。


(2006年6月13日記)


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