花ごころ

母の畑
                                                  



コンクリートの上に大小のコンテナを並べた野菜つくりも
今年で3年目になる
自家製野菜というのはちょっとした憧れだが
本当に食べられるものを作ろうと思ったら
これがなかなか大変だ

お庭つくりをはじめた時
同時に野菜つくりも始めたいと思い
母に水を向けてみる
「トマトとか夏野菜を自分で管理してみる?」

一緒に住むようになる前は
自分の家の土地で何度か野菜つくりの経験はあるので
生長を見守る楽しみや収穫の喜びは知っている
「やってみようか・・」
そこからコンテナ野菜栽培はスタートした

さて
いざ始めるとなると
わたしたちはどちらも土や肥料についての知識がないことに気づく
とにかくあり合わせの土に
『トマトの肥料』なるものを入れて苗を植え付けた
あとは油かす&骨粉で追肥
その追肥のタイミングもさっぱりわからないので適当
こうして
何もかもが適当な野菜つくりには
それなりの適当な成果しか上がらなかった

トマトははじめの数個が実った後は
葉っぱばかりがばさばさ茂る
花はつくのに実にならない
ナスはアブラムシだらけ
何にもが病気と害虫にやられて
それでも農薬はまきたくないので木酢液などを使って四苦八苦

野菜栽培1年目は
とりあえず収穫はあった・・・という程度で終った

さすがにこれではいけないと思い
2年目は色々勉強しながら作戦を立てた
まず第一に良い土を作ること
そのために生ゴミ堆肥つくりをはじめ
米ぬかを使った発酵肥料や
油かす、骨粉、鶏ふんなどのボカシ肥つくりをはじめた
第二は良い苗を作ること
温室で育てられた苗よりも
自分で種から育てた苗の方が丈夫と聞いたので
トマト、キュウリ、ナスなどの種をまいた

本を参考に
生ゴミ堆肥や肥料の量を加減し
チッソ過多にならないように注意する
初めの年の失敗の原因は
このチッソ過多にもあったように思う

苗を植え付けてからは
毎週米のとぎ汁発酵液肥を薄めて潅水
更に
ボカシ肥や米ぬか発酵肥料を水に混ぜて液肥として潅水
わたしが次々仕入れてくる情報を元に
母はこの地道な作業を続けた

  

その結果
トマトの葉っぱは
”小ぶりでスプーン状にそっている”という理想の形になり
大きな実がたわわに実った

前年はあれほどアブラムシ被害の多かったナスには
一匹のカマキリが住みつき
アブラムシを片っ端から退治してくれた
できた実はつやつやとしていて傷がない
以前とはまったく違う出来栄えだ

キュウリもたくさん実ったが
途中からウドンコ病に悩まされ
課題は今年に持ち越しとなっている

夏野菜が終わり
前年と同じくブロッコリーや芽キャベツを植えたが
ブロッコリーは2倍以上の収穫量であったのに加えてとても甘く
茎の部分もやわらかくて美味しい

そして圧巻だったのは芽キャベツ



すべての収穫が終った後で
母が芽キャベツをとった痕跡を数えてみると
大小あわせて90もあったそうだ
これはブロッコリーと同様
前年の2倍以上と思われる

そしてこれらの冬野菜も
葉っぱが小さめで
窒素量が適切だったようだ

外でコンテナ野菜栽培をするかたわら
母は台所の窓辺でカイワレも育てている



こちらもどうすれば簡単にカイワレが育てられるのかただ今研究中

カイワレを育て始めた頃
本に”スプラウト”といって
何でも芽を食べると良いと書いてあるのを見て
じゃあ他の芽も育ててみようかということになった
とりあえず身近にある種は
まき残った夏野菜の種
ホームセンターに売っている種は量が多すぎて
こんな小規模栽培にはちょっと不向きだなあと思う
でももし残った種がまた別の形になって役立てば良いよね
ということで
さっそくトマトやキュウリの種をまいてみた

ところが
数日後にこれらの芽を試食してみると
どれも非常にまずい
特にキュウリの芽はすさまじくまずい
これはさすがに食べられないねえ・・・と
これらの芽は腐葉土つくりの容器に入れられた

その後しばらくして
母が野菜つくりの本を読んでいると
野菜の芽についての記述があったという
それが恐ろしいことには
市販の種は通常薬漬けになっているので
それが発芽して大きくなれば薬の問題はほぼなくなるが
芽の状態では危険性が大だというのだ
スプラウトを育てるには
それ専用の種が必要とのこと
それと
特にトマトの芽には毒素もあるらしい(汗)
知らないというのは恐ろしい・・・
もうやたらなものを食べるのはやめておこう
でも
大根や小松菜の間引き菜は食べるよねぇ・・
(まだこだわっている)

そんな失敗もしながら
先日は収穫を終えたブロッコリーの苗を処分するにあたり
あれほど茎が甘いのだから
葉っぱも美味しいかもという話になり(懲りない親子)
早速茹でて食べてみる
結果は・・・・やはりこれは食べるもんじゃないらしい^^;

2年目の野菜つくりは
大きな成果とさまざまな失敗を残して終った

3年目の今年は
母はもっと楽な栽培方法を考えようとしている
もう70歳になるので体力も限られているし
他にやりたい事もある
土や肥料についてのおおまかな目安のついた今
もっと少ない土でそれなりの収穫が得られないだろうかと
米袋を使った栽培も進めてみる



これはすでに昨年ナスやオクラで経験済みだが
今はブロッコリーを植えてみている
そしてできればトマトもこれでいけたら
苗をよせてカラスよけのネットを張るのも楽だし
生長に合わせて移動も簡単だ
土のいっぱい入った大きなコンテナは母には重すぎる

少量の土で栽培するには
水はけと水もち、そして肥料もちの良い土が必要になる
これまでの経験を生かしながら
この”省エネ栽培法”を進めていきたいと思う
それと今年は何か珍しい野菜を育ててみたいということなので
今さっそく葉ゴボウの種をまいている

一方で
今まで色々まいてきた液肥には手ごたえを感じているので
こちらは更に有効なものを求めて実験を進めていきたい
今は毎日出る野菜や麺、卵の茹で汁などをバケツにとっておいて
その中へ”大豆乳酸菌”をたらして
一晩置いてから株元にまいている
乳酸菌の力で土壌の悪玉菌をやっつけようというわけだ

「野菜は友達」
そう言う母と野菜たちの友好関係は
今年もますます深くなっていくことだろう
わたしは時々新しい作戦を持ちかけながら
それを母がどのように用いていくのか見守っていこうと思う



*大豆乳酸菌について*
大豆をよく煮てから砂糖を加えてミキサーにかけ
熱湯消毒したガラス瓶に入れて冷蔵庫へ保存
一週間もすれば乳酸菌が自然に増殖しているので
薄めて土壌潅水、葉面散布、肥料作りなどに使う




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