花ごころ

海水の効用
                                                  



昨年の夏、いつも読んでいる『現代農業』誌に
作物に海水を散布したり塩をまくことでミネラルを補充し
微生物を繁殖させて
病害虫に強いものを育てる試みが紹介されていた
さっそく近くの海に出かけて海水をとってきてまいてみたものの
どうも「海水=食塩水=塩害」のイメージが強くて
続ける事に二の足を踏んでいる

それがこのたび読んだ本には
わたしの既成概念をくつがえす内容が記されていたものだから
今がぜん海水散布への意欲がわいている

海水の中には3.5パーセントの塩分が含まれている
その内容は
塩化ナトリウム(NaCl):77.9%
 塩化マグネシウム(MgCl2):9.6%
 硫酸マグネシウム(MgSO4):6.1%
 硫酸カルシウム(CaSO4):4.0%  
 塩化カリウム(KCl):2.1%  
 その他:0.3%

となっており
「その他」の0.3%の中には炭素、ヨウ素、鉄、銅など
70種類もの元素が含まれているという

この中にある塩化ナトリウム(食塩)で水溶液をつくり
そこで種子を発芽させても育たない
ところが
この食塩水に塩化カルシウムを加えると生育が良くなり
更に他の塩類を加えるともっと生育は良くなる
という実験結果があるそうだ

単独では有害な塩類も
数種の塩類を一定の割合で混合したものはほとんど無害になる

というのだ

つまり海水を植物に散布する事は
ただ単に塩化ナトリウムだけをまいているのではなく
複数の塩類が絶妙のバランスで拮抗しあった
天然のミネラル水を施していることになる

また、海水は微生物を増殖させるので
米ぬかと混合すると
従来分解されにくい米ぬかを分解しやすくする

その他にも
もっと何かすごい秘密が海水にはあるのではないかと思われるが
現在までにはまだその内容は解明されていない

こうしてやっと海水散布に前向きに取り組む気持ちになったところで
次なる問題はこれ
じゃあ一体どのくらいの濃度でどの程度の量を??

濃度については九州農政局のサイトに目安となる記事を見つけた
海水を薄めた塩分濃度4,000、8,000、12,000、16,000ppmの4種類で
水耕栽培したトマトの糖度変化を調査したところ
4,000ppmが最も適当であったとのこと
4,000ppm=0.4パーセント
海水の塩分濃度は3.5パーセントだから
それを0.4パーセントにするには・・・約9倍に薄めたらいいのかな?

わたしがこれまでバラに葉面散布や土壌潅水で海水を使ったのが20倍希釈液
『現代農業』にも20倍の事例が載っていたのでそうしたが
9倍はちょっとコワイ気もする
それに
海水が複数の塩類で構成されているから”ほとんど無害”とはいっても
”完全に無害”ではないだろう
その害が少量ずつ蓄積されていく事も考えなくてはならないし
やはり高濃度多量散布には踏み出せそうもない

というわけで
今回もまだ積極的にどんどん使う気になるまでのデータがそろっていないので
とりあえず20倍希釈液を月一回土壌潅水するというペースでやってみようかと考えている

それと
今作っている米ぬか発酵肥料も
次回からは水の代わりに海水を使う予定にしている

まだ知られざる海水のパワーに期待。。




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