花ごころ

つる薔薇を見上げながら
                                                  





正面玄関に誘引されたつる薔薇
白モッコウバラとニュードーンが
夏の間に恐ろしいほど生長している

以前から娘が
「薔薇屋敷にはしないでよぉ〜」
というのだが
どうもつる性植物が建物にからまる様子は
限度を超えると不気味に映るようだ

それでもわたしは
森のうっそうとした雰囲気が好きなので
こうしてぼさぼさに茂っているのもいいじゃないのと思うのだが
実はひどくはみだした枝をまとめるのが面倒なので
自分にそう言い訳しているのかもしれない

ここが平地ならまだしも
階段があるのではしごを立てるのが難しく
ついついそのまま放っておいては
時々見上げてため息をついている

”そろそろ何とかしないとなぁ・・・”

この写真を見ると
向かって右側のブルーガーデンの方へ
ひどく枝が伸びているように見えるが
実際には反対のピンクガーデンへの
ニュードーンの枝の伸び方がすさまじく
すぐそばにあるクロガネモチの樹を中継地点として
奥のハナミズキへと伸び
そのままアーチを通り越している
要するに
ピンクガーデンをしっかり横切ってしまっているわけだ

はじめは
ここへはニュードーンだけ植えていて
その後小さなモッコウバラの苗を何気なく植えてしまったため
枝を誘引できる壁面積は限られているのに
(これ以上上へは怖くて登れません〜)
この2種類の特別生育旺盛なバラたちは
押し合いへし合いの満員電車状態・・・

ニュードーンの開花は少し遅い
もしここに早咲きのモッコウバラがあったら
時間差で花のアーチができるなあと
ただ単純に夢を描いて植えた苗
それがこんなにも手を焼くことになろうとは
当時は何も考えていなかった

さて
ぼやいていても仕方がないので
ここはひとつ前向きに
今後の仕立て方を考えてみる

ちょっと見苦しいが
11月はこのままぼさぼさで通すとして
12月になったら
一度壁から枝を全部はずして
誘引作業をする
本当は一年中で一番枝の水分量が少なくなる1月が適期のようだが
うちの場合は少なくともクリスマスまでにはすっきりさせたい
昨年も12月の上旬に作業を行ったが
春の開花状況に支障はなかったと思う

まず枝を整理してから壁に誘引した後は
今自然にそうなっているように
3本の庭木へとあちこち枝を経由させてみよう
樹のなるべく高い位置に枝を留めたら
春にはピンクガーデンの空中にもバラが舞う♪
なんて素敵な光景だろう〜
(すでに妄想モード)

こう考えていると
一体どこまで伸びるのかとそらおそろしく感じていた枝が
急に頼もしく思えてきた
つる薔薇は
もちろん春の花のシーズンが良いに決まっているが
実は一番楽しいのは
あれこれ想像しながら誘引作業をする冬なのだと言われる
そう、今はそれを本当だとつくづく思う

でも
春に空中でたくさんの花が咲いたあと
夏の間に枝は今以上にぼさぼさになり
樹々から垂れ下がるかと思うと
ちょっとコワイかも・・・(汗




一方こちらは赤い実をたくさんつけたつるアイスバーグ
苗は昨年一気に生長したので
今年はそれをほどほどに抑える意味もあって
花がらを摘まずに実を生らせてみた
そのせいなのか
枝はちょうど窓周りをおおうくらいでおさまっている

こちらは年内はこのままにしておいて
しばらくローズヒップを眺めて楽しむつもりだったが
このところ鳥が来ては実を食べているのか
下にいくつも落ちてころがっているので
年内には全部なくなってしまうかもしれない
やはり正面と同じ時に作業を行おうかな・・・

だんだん手におえなくなるつる薔薇たち
どうしようかと途方にくれながら
それでも春の花盛りを大いに期待している
だから誘引作業にも力が入る
期待と不安、苦労と喜びが常に交差する

こうして
つる薔薇の底知れない魅力にとりつかれたら最後
上を見上げてため息をつきながらも
いつの間にかまたせっせと頑張ってしまうのだった





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