花ごころ

土着菌と仲良くしよう
                                                  



今年の春から発酵肥料を作るようになり
色々な本を読む中で
『土着菌』の存在がいかに重要であるかを
つくづく思わされている

土を微生物の働きで耕し
肥料を植物に効率よく吸収させ
土中の環境を整え
病原菌もやっつける

そんな有用菌を増やすことで
無農薬栽培の夢がかなうならと
今では市販の微生物資材も数多く売られている
ところが
この”造られた”微生物資材では
その目的が十分期待できないどころか
むしろ土着の微生物にとって侵略にもなりかねないという

土着菌について調べる際に
図書館で借りて読んだ本
『土着微生物を活かす/趙漢珪著(農文協)』には
以下のように記されている

「これらの微生物はあくまでその地域のものを採取し
露地で常温培養したものでなければなりません
力価が高く環境に対して親和性が強いからです
長雨も干ばつもない工場で作られた酵素や微生物が
どの地域でもその力を発揮できるものではありません
むしろ土着の微生物にとっては侵害になり
バランスを崩すもとになります
わたしたちは何よりも実際に試してみて
土着微生物の強さを確認しました」

わたしもこれまで生ゴミ堆肥つくりなどに
何度か市販の微生物資材(EM菌など)も使ってみたが
最近は上記の事を考えて全く使わなくなった
買ってきた物で微生物の生態系が崩れたのでは
本末転倒になる

自然の理にしたがって
自然に逆らわず
自然のものを使って
植物の持つ力を自らが最大限に発揮するのを待つ
そんな”自然農法”の原理は
結果はすぐには出ないけれど
わたしにとって一番安心できるやり方なのだ

とはいえ
お店に行くと
”コレ1本で立派な花が咲き大きな実が生る”
といううたい文句と共に
次々と便利そうな新製品が並んでいる
自家製の肥料や資材つくりは
地道な作業の繰り返しだけで
なかなか結果が見えないだけに
しばしばあせりも感じて
このような製品に飛びつきたくもなる
そんな誘惑と戦いながら
いや、わたしはこれで行くから・・・と
今日も自家製肥料のバケツをかきまぜる

さて
10月になり涼しくなったところで
春には思うようにいかなかった土着菌の培養に再び乗り出した
まずは材料を採りにいく



これは竹林と樫の木などが混在するあたりに堆積している腐葉土
何の葉っぱなのかもわからないほど形は崩れていて
白い菌糸がついている
こういうものを中心に集めて帰り培養にとりかかる

お湯にご飯と、天恵緑汁(なければ黒砂糖少々)を入れ
一旦温めてから冷ましておく
常温になったところで白い菌糸のついた腐葉土を混ぜて
そのまま一日おく
翌日その中に米ぬかを加え
握っても形がすぐ崩れるくらいに水分調整をしてから
新聞紙でふたをする

春にはその後の温度上昇が見られず
それでも低温で活動するこうじ菌はちゃんと働いているものと信じて
その後の生ゴミ堆肥つくりなどに使用してきたが
今回は翌々日から温度が上昇し
40度以上になった
こうして発酵させてから5日後
その一部を取り出して
油粕、骨粉、鶏ふん、魚粉などを加えて
いつものように”ぼかし肥”つくりをはじめた
すると
これまで生の米ぬかと他の肥料を混ぜて発酵させていた時は
特に鶏ふんを加えるとキツイにおいが出ていたのに
今回は温度がしっかり上昇しても
ちょうどお醤油のようなにおいがしている

この土着菌米ぬかの”元種”は確かに使える!

ちょっと目の前が開けたようで
ひとり浮かれてしまった

今はこの元種に米ぬかを加えて拡大培養しながら
これからのお庭への米ぬかまきに使うべく準備している
今までは生の米ぬかをまいてきて
バラの株元はずいぶんふかふかの土になったが
次回からは更にパワーアップする予定(わくわく)

春に色々行った実験は
ほとんどが上手くいかなかった
本に書いてあることなんてあてにならないのかな・・・
そんな不安もあったが
季節が変わると働く微生物も変わり結果も変わる
ここへきてやっと土着菌がふり向いてくれるようになった
そんな感じだろうか
これからはもっと仲良くなりたいものだ




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