花ごころ

悩めるクレマチス
                                                  



薔薇の庭をつくろうと思い立った時
同時に
クレマチスを混植することも計画にあった
庭つくりに際して色々な本を見たが
薔薇の庭には必ずといって良いほどクレマチスが存在し
その姿は絶妙にマッチしていて
これよこれっ!と思ったものだ



昔、紫色の風車形クレマチスが祖母の庭にあり
その独特な風情がとても好きだった
当時はそのクレマチスをテッセンと呼んでいたが
テッセンとはクレマチスの和名ではなく
原種の花をさしているとは知らなかった
多分祖母も知らなかったはずだ

そして
クレマチスには実にさまざまな種類があることも
2001年からの庭つくりを通して知ることとなった
写真で見ると
どれも素敵な花ばかり
それでも一番に購入したのは
懐かしい紫色の”プレジデント”だった

ちゃんと花の咲いた鉢を買い
それなりに楽しんだあとで薔薇のアーチの足元に植えた
ここで薔薇と一緒に咲いてくれたらきっと美しいだろう
その時はまだ
やがて薔薇の枝とクレマチスがからんでぐちゃぐちゃになってしまうとは
全く想像もしていなかった
だいたいクレマチスが葉をつるのようにからませることも知らなかったし
理想の形にもっていくには
常にこまめな観察と誘引を繰り返さねばならないのも
最近になってつくづく思い知るのだった

その年の冬には
枯れ枝だけになった小さな苗を数種類購入した
ラベルの写真を頼りに好きな花を選ぶ
それが一季咲きなのか
どういう植え方をするのか
剪定はどうやるのか
そんなことは全く知ろうとしないまま
ただ見かけだけで判断する

そもそもクレマチスについて全く無知であることが
やがて春の落胆を招く事になる
ホームセンターなどに良く出回っている
200〜300円くらいの小さな苗は
その年にはまず花は咲かない
花をすぐに楽しみたいなら
少なくとも2年もの以上の苗を購入しなくてはならない
これは新苗の何倍もの値段がする
あまり高いとたくさんの種類が買えないので
手っ取り早く安い新苗に手が伸びる

春になり
小さな苗は芽を出した
しかし
ひょろひょろと茎が伸びるだけで
花芽はつかない

その頃からやっとクレマチスの本を読み始めたわたしは
大変な間違いをしてしまったと後悔する
その頃には2年ものの苗が出回っていた
あわてて3種類購入する
写真だけを頼りに・・・

”聖”はやがて看板横のマチルダの側で花を咲かせた
なんて大きくて可愛くない花!
あまりのイメージの違いにがっかりしたわたしは
地植えにしたせいだろうと
花後、鉢に植えかえた



今春、”聖”は鉢の中で3つ花を咲かせた
相変わらず大きな花にため息をつきながらも
薔薇と一緒でないぶんまだマシかと思っている
こんなクレマチスが一緒では
どんな薔薇も負けてしまう
わたしの理想はあくまでも薔薇が主役
クレマチスはその薔薇をさらに美しく演出する脇役なのだ
けっして自分が目立ってはならない



2つ目は”ジャックマニースパーバ”
昨年に引き続き
今年も看板の上で立派な花を咲かせてくれた

3つ目の”モンタナブロウトンスター”は
立ち枯れ病でいなくなってしまった
クレマチスを植える時には
必ず一節深く埋めるのが決まりになっている
これは
たとえ立ち枯れ病になって地上部を失っても
地中の節からまた新しい芽が出てくるためだ
そんな事も知らないで普通に植えたから
二度と復活する事はなかった

初めに購入した新苗たちは
今春はじめて花をつけたものが2つある
そのひとつが”ベルオブウォッキング”



つぼみがだんだん大きくなるにつれて不安がよぎる
あれ、思ったより大きいな、、、、
ラベルの写真では5センチ程度の可愛い花を想像していたが
実際はその倍以上ある
それでも色が控えめなのでまあいいか・・・

色々調べてみれば
ちゃんと花径の大きさも載っているのに
横着者のわたしはそれもしなかった

もうひとつの”コンテストボジャール”は
今フェンスでたくさんのつぼみをつけて待機中
イングリッシュローズ”ピーチブロッサム”の2番花開花と
ちょうどいいタイミングで重なるのではないかと
今期待しているところ

クレマチスには色々な花形があるが
わたしが一番好きなのはベル形だろう



”篭口(ロウグチ)”は
薔薇以外で唯一通販で購入した苗
カタログでこの花姿を見た時
わたしの思い描く庭のイメージにぴったりだと惚れ込んだ

昨年は薔薇と同じくウドンコ病にやられて
後半はあまり花が見れなかったが
今年は対策もこうじていて
なんとか元気でたくさんの花を咲かせている

また
剪定の仕方について本も読んだので
早めの剪定を繰り返して
枝数も増やした
これをやらないと枝は広がらずに先に伸びるだけなので
フェンスの上をはうだけになってしまう

思えば薔薇つくりをはじめる時はずいぶんと気合が入っていたのに
クレマチスは甘く考えていた
調べてみると
その系統は3つに分類され
それぞれ剪定の仕方が全く違い
間違えたらその年の花は全く見れなくなるものもある

ちょうどつる薔薇の枝を切ってはならないのと同じで
枯れたように見える古い枝から新芽が伸びるモンタナ系を
そうとは知らずにばっさり切って
結局は枯らしてしまったりもした
残念ながらモンタナ系は3種類もなくしてしまった

クレマチスは移植を嫌うので
植える場所はよくよく選ばなければならないし
小さな苗は初めのうちは鉢で育てた方が良い
わたしは何でもとりあえずそこに植えて
気に入らなければ植え替えるということをするので
そのために枯らしたものもある

薔薇と同じように
最初からちゃんと勉強していれば
こんなにも苗を失う事もなかったろうに・・・
今更ながら悔やまれる

遅ればせながらぼつぼつ勉強しては育てているが
3年目になるあの新苗のうち3種類は相変わらずひよわで
花もつきそうにない
植えている場所が悪いのかなぁ・・・と思うが
もうさすがに移植は避けたい

看板上のジャックマニースパーバは
初めの花が散り始めた



そろそろ
『全体の7〜8割咲いたら思い切って剪定すること』
という本の注意が頭をよぎる

まだつぼみを残して切るのは辛いが
日曜日が終わったらハサミを入れることにしよう





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